匿*****さんのレビュー一覧
宮本から君へ [完全版]
おっ名作やん…全部無料!??ってなりました。
この作品を完全無料はスキマちょっと凄いぞ。
極力、内容に触れないように、雰囲気だけのレビューとさせて頂きます。
時代背景の描写が凄まじい人間ドラマで、昨今の綺麗で毒の薄い漫画を好む読者に受け入れられるかは分かりませんが、ライフ関係無し完全無料で読めるアプリ初めて見たんで、読んでおいた方が良いと思いますよ。
最近はちょっとウザいキャラが居たり、主人公が独善的だったり、読者が納得する行動を取らなかったり、絵が綺麗で無ければ敬遠される風潮がありますが、この漫画はなんと…何一つクリアできていません。
それでも新井英樹氏という漫画家は、日常の中でギリギリ起こり得る、ギリギリの非日常を描く天才ですね。
登場キャラの9割は強烈に癖が強く、嫌悪感を抱く事も多々あります。その世界観に引き込まれ、読み手の感情のスランプグラフは段々と作中のキャラにリンクしていくようになります。
胸糞悪いシーンを幾つも乗り越えて迎えた最終回の読後は、何故か謎の爽快な読後感を感じます。
キーチとかもそうだったんですが、序盤から新井ワールド全開のフルスロットルでかましてくるんで、読者が初めから軽くふるいにかけられるんですよねー…勿体無い。けどそれも味か。
とにかく読んでみてください!引き込まれますよ!ちなみに映画化もされてます!
51
パーラー栄通り
一話一話、丁寧に作り込まれた話がテンポ良く進み、とても読みやすい作品です。
人物は限りなくシンプルな作画なのに、背景等はやたら書き込んであるのが謎で初見は笑いました。特に食べ物の作画は別作品かと。
そのへんの作画はアシスタントさんなのかな?
他のレビューにも多数あるように、問題作、連ちゃんパパの作者さんではありますが、こちらは人情話がメインで、登場人物の9割以上が善人です。
この手の人情話が好きな人には刺さる話がとても多いです。話作るのが上手い作者さんですね。
自分は花火の話が好きです。
一話完結という形を取っている為、ハッピーエンドに至る過程が駆け足すぎだったり唐突すぎたり、展開が奇跡がかった強運任せな強引な形だったりします。せっかく良い話を描いているので、せめて前後編で2話くらい毎回使ってほしいなぁと思いました。特に最終回は良い着地点だとは思いますが、もう少しページ使っても良いかと。
まぁでもこの辺の異常なテンポの良さも魅力なのかな?
最後に主人公の人柄についてですが、簡単に言うと極度のお節介焼きです。わざとそういう人物として描いているのでしょうが、漫画の中とはいえ不快に感じ、許せない読者さんもいるようです。
そういう人ってドラゴンボールとか読んだら…あっ傷害罪!ひぃ殺人罪!って気絶しちゃうのかな。
まぁこの手の日常モノだから余計にそう感じるんでしょうが、描くにあたってさじ加減が難しいですね…。
漫画は漫画、と楽しめる方にはオススメです。
60
ミリオンジョー
無料の1巻が面白くて、久々にコイン課金してマンガ読んだ。絵柄のクセが強く、人により好き嫌いハッキリ分かれそうだが、それほど絵が重要なストーリーではないので影響は無いかと思います。絵だけで敬遠している人は試しに読んでみてください。
そもそも秀逸な設定ありきのマンガで、それに対してどう脚色していくか、というところかと思いましたが、中盤起こるアクシデント、ピンチは期待通りで楽しめて読めました。なんとかできたり、できなかったりするのが良いです。バレて安易に殺して口止め。とかして暗く重すぎる展開にしなかったのも良い。
惜しむらくは終盤駆け足すぎたところかと。主要キャラクターはもう少し…最低でもそれぞれの今後を読者に想像させるように使い切ってほしかった。あまりにもそれぞれの最終登場シーンがあっけない。
ラストは良いですね、あまり爽やかな内容のマンガではないですが、報われる感じで読後感は良かったです。題材的にも良いし、キャラも立っていたのでもう少し膨らませてボリュームある物語にしてもよかったのではないかなって思います。その方がラストも際立つし。以上です!
105
完本 地獄くん
良いところ
•雰囲気は良い。
•毎話、導入部分はかなり好き、ワクワクする。
•5話目は面白かった。
悪いところ
•地獄くんのキャラデザインがいくら古い作品とはいえ、キツすぎる。
•導入部分の雰囲気はいいのに、急にコメディタッチになったり、解決方法が直接的な暴力だったりで最後まで雰囲気をキープ出来ていない。
•一番面白かった5話が、あろう事か主人公の地獄くんが登場しなかった。
未完作品なんすかね、嫌いなわけではないので、最後まで見たかった気もします。でもこの時代の作品が未完なのって、それはそれでなんか良い気もします。
良くも悪くも、今のマンガって凄く洗練された形になってるんだなぁ、と再認識しました。
そういう意味でも、一読の価値はあるかなと思います。
1
ナニワ金融道
今更語るまでもない漫画界屈指の名作ですが、レビューさせて頂きます。
一つ一つのエピソードがテンポ良く、ダレる事なく終結まで読み切れます。また、ワンエピソードで使い切るには勿体無い魅力あるキャラクターが豊富に出てきます。
個人的には金畑社長の強キャラ感がとても好きです。スピンオフ的な話もあった肉欲もいいですね。
実際に役に立つかは分かりませんが、お金に関する法律も頻繁に登場し、またそれを活かしたエピソード造りは名人芸と呼べるレベルでしょう。
基本的に主人公である灰原目線で読み進める事になるのですが、この灰原が素朴で憎めない、本当にナイスキャラで感情移入もしやすいです。
灰原が回を進める毎に成長していく感じも楽しい。
賛否分かれる絵柄についてですが、私はこれでいいかと思います。背景なんかの書き込みは凄まじく、絵が下手というわけではありません。
人物の微妙な表情の書き分けも良いです。
まぁどうしても好き嫌い分かれるのはしょうがありませんが、少なくとも絵柄で敬遠してしまってる人は本当に勿体ないですよ。
小学生高学年〜高校生くらいの若年層にも読んでほしい作品とは思いますが……ちょいちょい出てくる下品なネーミングがね(笑)
総括すると、未読の方は必ず読んでほしい作品で、もう何周もしてしまった自分からすると、未読であるのがうらやましいレベルです。
52
モリのアサガオ
基本的には良作です。良作なのですが…。
んん?ってなるシーンが多く、好き嫌い分かれる作品かもしれません。
まず、いくらなんでも主人公のクセが強すぎます。仇討ち行為に憧れている、と公言する様は中学生並みの感覚です。職務に関するルールやマナーの逸脱もかなりひどい。
まるで召使いのように受刑者に接するシーンも違和感を強く感じます。
素直にストーリーに没頭できなくなるポイントは多々あるのですが、一番はやはり…謎のBL色でしょう。クセのある絵なので、たまたまそのように見えるだけかと初めは思いましたが、ちょっと流石に後半は目につきます。
悪いところばかり並べましたが、死刑判決から死刑執行までの受刑者の心情や、被害者遺族の感情等、とても読みやすく描かれており、死刑制度について考えさせられます。
最終話では、主人公なりに一応とはいえ死刑制度の是非について、答えのような物に辿り着きつつある様子も描かれ…まぁ…って感じです。
少し受刑者寄りの描写が多いので、作者の方は死刑反対派なのかな?とか思ったりしました。私は犯罪の抑止力、遺族感情のせめてもの落とし所として必要なのかな。と感じました。冤罪という恐ろしいパターンもあるので難しいですけどね…。
いずれにせよ、一読する価値はあります。公開期間が残り少ないのですが、是非!
66