a*****さんのレビュー一覧
エンジェル日誌
熱血はいいけど床に落ちたお弁当食べさせるのは(時代とはいえ)看護師さんとしてやっちゃいけないことでは。「私に何が出来るんだろう?」と問いかけるだけ問いかけて終わったのもなんかモヤモヤ。「暮らすんだよ(一例)」などの言葉がなぜか「暮らすだよ」になってて訛り?なのか誤植かそこも気になってしまった。
で、正直読みきれないか心配だったんですが、変だなと思ったのは1話目だけであとはずっと産婦人科のお話で、今とは事情が違いそうではあるけれど中絶、性病、里子制度、避妊リングも失敗する話、赤ちゃんがいるのに腫瘍が見つかったら、母乳とミルクの違い、帝王切開と自然分娩の考え方、障がいのある子が生まれたら…など面白かった!ネタが尽きないもんだな。
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レズと七人の彼女たち
たくさんの彼女と7股(一人故人とはいえ)ってどうよ?とちらっと思わなくはない。でも、全員お互いを認めてルール作って本妻がいて、全員にどんな言葉を言ったか、どんなものを贈ったか全部答えられますって話なら外野が言うことはないなあとも思った。別にレズビアン(性的マイノリティ)だから貞淑であれとは思わないもんな。たくさんフェイクかけてるだろうし、ほぼフィクションと思って、でもここに出てくる皆さんの言葉の重みを無駄にしないように読みたいと思った作品です。本妻のサツキさんの作中での「あなたは誰にも届かない声を拾い上げられて読者に届けられる職なのだからきちんと読者に届けなさい」が痛烈だなあ…強いなあ覚悟決まってるなあと思いました。有名育児マンガの炎上・告発とか見てると、そういう実録ものよりもいくらか安心して読めるかなあと感じています。嫉妬バチバチ恋愛バチバチというより、肩寄せ合って生きるしかなかったシスターフッドものだと思っています。
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メンタルジャングル探検記
(ものすごい偏見入ってて申し訳ないですが)妻が病んでて夫は普通みたいなエッセイマンガって、なんぼなんでも夫の扱いひどない!?みたいなことになりがちか、あまりにも夫が神すぎ妻が依存しすぎ(正直この作品も一話二話あたりでそっちに行きそうだとちょっと警戒してた)だったりしてこっちの参考にならんよってなったり、逆に夫無理解すぎん?ってモヤつくこと多かったりするんですけど、これは逆に夫のサミ太郎さんを励ましてメンタルジャングル(落ち込みすぎて負の方向に勝手にハマりこむこと)から救ってる描写があってこの人たちすご!ってなりました。「(体調悪かったり気温や気圧なんかのせいで)コンディションが悪い時なんとなくイラつく」ことを「カリ子」と名前つけて「今カリ子いる!やば!」と自覚するとかは取り入れるの簡単そうでいいなと思いました。「何イラついてんの?」って言われたらなんとなく反発しちゃいそうだけど、「カリ子」という見えない存在近くにいるかも!気をつけて!って指摘されたら受け入れられそうだもんなあ。
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静寂の花【分冊版】
心臓移植で好物が変わったりするという話は聞いたことがあったので面白かったです。催眠術はそんなに万能ではなかろうよというツッコミもまあ野暮かな。香澄に関しては、莉桜のことを恨んでる半分愛してる半分なのかなあと思っていて、確かに文句はあれこれ言ってるけれど、ずぶ濡れで死にかけて戻ってきた莉桜を本気で心配して泣いてる描写もあったので、そこを突かれて利用されたりはあったけど本気で莉桜をどうこうしたいとかはなかったのではないかなあと思ってました。莉桜を手にかけそうな自分に気づいて自ら離れたり「こんなことしたくない」って叫んでたので。さらに、心臓の提供者杏子の悲劇も知って、杏子の妹への複雑な気持ちから大惨事に発展した(させられてしまった)こともたぶんその後莉桜も香澄も二人とも知って、何かしらお互い思うところがあったり謝ったりしたのではないかなあ…という勝手な感想を持ちました。確かに描写不足といえばそうかもしれないんですが。
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さんてつ―日本鉄道旅行地図帳 三陸鉄道 大震災の記録―
こづかい万歳で割とキワモノ系の話を今書いてる吉本先生ですが、実話を拾い上げて誰かの心を強くひっかく作品も書いてるんですよね…津波と津波で瓦礫まみれになった町のシーンはかなりリアルな筆致でしっかりと描かれているので、トラウマある人は注意が必要かも。耳が聞こえない人を安心させるように筆談と「トンネルあと何m」を頻繁に知らせ続け案内した運転士さんのエピソードが心に残っています…。ポイントが余っていたので最終話も購入しましたが、これは読むべき。体育館に山と置かれた遺体、津波に飲まれて泥まみれになった(子供のものもある…)遺体を遺族にお返しするために頑張った人たちのエピソードはしんどいながら読まなくてはいけないものだと思いました。
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