かたばみ抄【分冊版】

あすなひろし 2

庭の隅に咲いたかたばみの黄色い花。まだ子どもだった珪子は、母の咎めを聞かずに花を摘む。小説家である父はそんな娘の姿を見て、自分の小さかった頃のことを思い出していた。花を摘んだ思い出はまるで昨日のことのように思えるのに、いま自分たちの生命を分けた幼い娘が同じことを繰り返しているのを見る不思議さ…。月日が経ち、年頃になった珪子は結婚を間近に控えていた。小説が書けず酒ばかり飲んでいた父を支える母の姿を見てきた珪子。ただ、最近ふたりに微妙な変化が…。叙情に溢れた繊細なタッチで人の心を描き出す、妙手あすなひろしの珠玉の短編集。

最終更新:2022年3月24日0:00

庭の隅に咲いたかたばみの黄色い花。まだ子どもだった珪子は、母の咎めを聞かずに花を摘む。小説家である父はそんな娘の姿を見て、自分の小さかった頃のことを思い出していた。花を摘んだ思い出はまるで昨日のことのように思えるのに、いま自分たちの生命を分けた幼い娘が同じことを繰り返しているのを見る不思議さ…。月日が経ち、年頃になった珪子は結婚を間近に控えていた。小説が書けず酒ばかり飲んでいた父を支える母の姿を見てきた珪子。ただ、最近ふたりに微妙な変化が…。叙情に溢れた繊細なタッチで人の心を描き出す、妙手あすなひろしの珠玉の短編集。

出版社: グループ・ゼロ
最終更新:2022年3月24日0:00
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全6話

完結済

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「青い空を、白い雲がかけてった」もそうなのですが、あすなひろし氏特有のペーソス、儚さ、切なさ、登場人物に対する澄んだ眼差しは素晴らしいですね。クリスタルで紡がれたかの様な作品は唯一無二の個性と感じます。
2023年12月27日 違反報告
うまく言えないけど、死、人と人の繋がり、一日いちにち生きていることが静かに輝いているような、悲しさと強さを感じる短編集。絵の余白にハッとしたり、簡潔な絵が真理をついている気がします。
2023年12月26日 違反報告
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