s*****さんのレビュー一覧

イティハーサ
壮大な物語の世界を楽しみました。滅びた文明の上に成り立っている解釈で良かったのかな。確かに、水面下に、主人公達の意識していない文化や知性が流れている感じはあって、それも魅力でした。

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修羅雪姫
面白かったけど、落訂?復讐って片がつかないの?読んだのが昔で記憶が不確かですが、15話と16話の間に、何かないと話がつながらないような。
いつかティファニーで朝食を
朝食を摂らない派にもおいしそうな、実在のお店の数々。本当に朝活、健康志向の時代なんだなあ。主人公の恋の行方、ハッピーエンドの形にも現代を感じます。
エマージング 電子版
これがコロナ前に書かれていたのが本当に凄い。優れたフィクションが、現実を先読みすることって本当にあるんだ。もしコロナの症状も、この未知のウィルスみたいに外見に影響が出るなら、本気さももう少し違ったのかなと思いました。
ネオン蝶
ヒロインが比較的若い間にお話が終わりますが、一代記ばかりでも良くないので、これはこれで良かったです。どんな凄惨な展開になるのかと思ったら、幕切れは本当にサブタイトルの通りで受けた。
マリア
上と下で全然別の話みたいに空気が違う。テーマは何だろう、結局都会生活でおかしくなったから、自然回帰?
女優
計算高いとか、淫乱とか片鱗はあったけど、普通の人の範囲だった。ちょっとブレてる感じがしたし、その分ドロドロもほどほどで読みやすかったです。
女帝
大阪編くらいまでが、ヒロインが泥臭くて魅力がありました。銀座に出てからは、洗練されたけど何か普通で。それにしても、やはり反社会的勢力との縁は切れないのかなあ。終盤、テレビで国民が熱狂している時、ヒロインは首領達と部屋で…というのがシュールで、ほぼファンタジーでした。
人間失格
戦中戦後の原作の時代と比べて、主人公の職業である漫画家の地位向上を感じました。友人も、いい奴ではないけど悪魔でもなくて、本当に心配してくれている一面もあったようです。後書きにもあったように陰惨さとか絶望は薄くなって、何かが少しずつ違っていればどうにか生きていけたんじゃないかと、むしろ身近な悲劇に思えました。
ハイティーン・ブギ
バブルが弾ける前なので、高校中退で同棲しても夢のある展開。後半長くて、暴走族時代を忘れるくらいだったので、無理に悲劇にしなくてもなあとちょっと思いました。当時は若い読者が、ハラハラしながら連載を追って行ったんでしょうね。
応天の門
少年時代を想像したことのない「学問の神様」菅原道真と、昔男が今風のイケオジな在原業平の物語。ちょっと調べたら、粗暴でぼんくらな(に描かれている)高子の兄国経と、業平・基経それぞれの子孫との間に、遥か後年に三角関係ができていて驚いた。どんな顔で年を取ったのか、どんな風に家族を残して逝ったのか、そんな史実の狭間も想像できて面白いです。
ブラックジャックによろしく
主人公の斉藤先生の正義が熱過ぎて、逆に血の通った人間と思えないほどで、こういう熱血を求められるなら医療崩壊もするよなと思ってしまいました。
女子高生に殺されたい
綺麗だけど動きのないような、どこか不自然な絵が、不穏で絶妙です。
忘八武士道 分冊版
この絵の見て来たような臨場感、どうしたら出せるのかと思います。お話は、取り敢えずハッピーエンドはないと思っていたので、あんまり尊厳もズタズタにされるような終わり方じゃなくて良かった。
銀座女帝伝説 順子
一度読む分にはすこぶる面白かったし、輝いていた頃の銀座には夢がありました。時代とともに生きて、恐らく時代とともに古くもなった方なのかなと感じました
まんがグリム童話 金瓶梅
それにしても長過ぎるし、金蓮の悪女振り、共感できないところがある感じが好きだったのに、後の方になると夫を殺したことなんか忘れたのか正義の味方みたいになって、背徳感とかスリルはなくなったようです。
道中師
絵に星4つ。お話も面白かったけど、恨みの元になった事件でスリの一味より何より同心が一番悪い奴みたいに思えたので、その復讐はセリフ1行で済ませて良かったんだという感じがちょっとありました。
愛蔵版 同棲時代
50年前は適齢期も平均寿命もずっと短かったはずなんだけど、時間の使い方は贅沢というか、濃かったのかも知れません。時代を映す作品なのでドラマとか歌が作られたのは不思議じゃないんだけど、この絵がなければ別のものになりそうだし、生身の人間が演じるのがどんな感じになったのか、想像するのが怖い感じもします。
しなの川
今だったらビッチの一言で片付けられそうけど、愛も恋も移りゆくのは昔も今も変わらないはずで、こんなに物語が膨らむ時代は悪いことばかりではなかったのかも知れません。絵も時代を超越した新しさでした。2巻1話は、前半はあくまで美しく、中盤からは悲惨な展開なんだけど構図が斬新なのでちょっと笑ってしまって、最後にゾッとしました。
唇役主丞 乾いて候
田村正和のニヒルなイメージが強かったけど、原作はかなりコミカルで、「乾くなぁ」って言っても、結構元気にしたたかに生きていけそうな感じがします。考えてみると年が20歳そこそこだっていうのも、その父親が老け顔の33歳なのと同じくらい驚く。
8月の光
この作者の人の描く、走る姿の疾走感、躍動感、この頃からだったんだ。「土曜の夜と日曜の朝」の回は必見と思います(ついでに携帯のない時代のエピソードも必見)。終盤に胸糞展開はあるけど、まだ日常的に取り返しがつくレベル。
宮本から君へ [完全版]
同じ作者の人の作品をいくつか読んで、リアルタイムで感じた違和感が、等身大の青年だと思っていたのが「この凄い俺が、幸せにしてやる」になっちゃったからなんだと気づいた。青年期のその手の変化って、現実では意外とあることで、そういう意味でも普通の甲田さんとは合わなかったし、靖子とはいい組み合わせだったんでしょう。
春が来た 大合本
定年後のおじいちゃんの話で気楽に読めるのかと思ったら、第一話から結構衝撃的な内容でした。侍社会の無残も感じたし、それだけではなく積み重ねた年月の価値も感じられた。今の時代だとおかしい展開も多いのですが(普通に強姦とかしてる)、楽しめました。
キーチ!!
凡人の一個人としては、3歳のキーチに芽生え始めていた豊かな人間性を思うと、殺伐とした小学生時代はやはり「可哀そう」という言い方になります。祖父母との関係で端的に描かれるように、キーチの方ではそんな大人の価値観は全然必要としていないのもよく分かり、本当に、周到で残酷な構成だと思います。
RIN
「シュガー」の2年後、19歳で世界を取ったリンのお話。こんなに天才の孤独が濃く出てくると思わなかったし、平成とか令和の時代に、こんなに突き刺さる童貞とか処女の喪失があるとも思わなかった。短いけど、いろいろ完璧。
特攻の島
アップの顔のデッサンが微妙に狂っている感じがして、目眩がしそうです。読み流せるお話でもなさそうなので、途中リタイヤします。
シュガー
軽薄で、いい加減で、少なくとも表面上は多くの人が共感できないんじゃないかと思う主人公なんだけど、だからこそボクシングの魅力とか凄さがダイレクトに迫って来るようでした。「シュガー」という世界チャンピオンより1番すごい称号のこと、ずっと忘れないと思います。
愛しのアイリーン【完全版】
ずるい部分や汚い部分をあえて描くような切り口、農村の国際結婚という題材だとすごく難しいと思うんだけど、出て来る人たちのどうしようもなさが、嘘がなくて人間らしく思えた。1週間だけ地上に出るセミの例えじゃないけど、岩男も多分お母さんも、この数カ月があって幸せだったんじゃないかと思います。
キーチVS
読み応えはあったけど、どこで間違えたんだろう、どうすれば良かったんだろうと思いながら読みました。「都会で出会うより先に手と手を結んだ…」という父親の言葉が好きだったので、両親は決して望まなかっただろう結末に流れるのが皮肉に思えたし、悲しかった。
ザ・ワールド・イズ・マイン【オリジナル版】
主役二人はもちろん市民の側も、敵前で職務遂行を放棄したり、正義が行き過ぎていたり、慎重にステレオタイプを避けているようで、先が読めないことこの上なかった。そんなにして語られた大きな物語が、最後に惜しげもなく文字通り全部無になって、言葉が出ませんでした。一番わかりやすい痛みを伴って伝わって来たのは、最終話近くの大統領と妻のエピソードでした。
横浜ホメロス 大合本 (特典美麗イラスト付き)
話数の少なさで察するべきだったけど、未完でした。佳境に入ったところで突然終わるのですが、ヒーローが敵の手先となっても割と順応していたり、ヒロインに今一つ魅力が感じられなかったりで、続きが読めなくてもまあいいかというくらいでした。
風のフィユ
たぶんヨーロッパがまだ夢の国だった頃の、大人の夢物語。残酷さとか戦争の匂いも含めてね。原作者は、ある意味これもおとぎ話の「釣りバカ日記」の人。
カニバケツ 大合本(秘蔵イラスト付き)
面白かったけど、基本的に女性を落とす話ばかりなので、それだけだと全部読むには長いよね。
ナニワ金融道
特に灰原自身の尻に火がつく17巻以降は、圧巻の面白さでした。そういう意味で最終巻が課金になるのは本当に正しいのですが、もう少し安くならんかな^^
オークション・ハウス
前半の復讐譚は、壮大過ぎる設定といい、次々現れる敵の血肉のある感じといい、本当に面白かったです。洋画好きな人なら影響が分かったりするのかな。それだけキャラを立てた敵役が、惜しげもなくすぐに退場するのも凄かった。後半は、超人リュウさんが巨悪と闘う話。女性が増え過ぎて、時々理由をつけてハーレムを解体してるのは笑えました。
BROTHERS-ブラザーズ 大合本 (美麗イラスト付き)
一個人の意見としては、有名な「オークション・ハウス」より面白かったです。冒頭のアメコミみたいな活躍も、中盤の悲しい運命とヒトラーの野望も(この辺は少しだれた気もしたけど、だれたなりに面白かった)、あまり引っ張らないで終わるところもみんな良かったです。
宮本武蔵
吉川英治版宮本武蔵のよくできたダイジェストです。いろいろ分析し始めるとバガボンドみたいに長くなるので、こういう再現もありなのかも知れません。最後もさくっと終わります。魚歌水心はいらん子だったんや。
モリのアサガオ
社会派の力作です。メインの事件と、それから過去の「山本」の件は、再審請求すれば済む話だったんじゃないかと思って、ボタンがかけ違ったような感じがありました。
ケイの凄春
心が洗われてしまうので、エロは少なめです。許嫁の女性の設定は途中で変わったような気もしますが、それで良かったと思います。
ふることふみ
イザナギイザナミから、「山幸彦」ホオリノミコトまでのお話です。面白かったし、どうしてそこまでなのかも一応納得できるんだけど、もう少し後まで続けてほしかった。雄略天皇のお話とか、この語り口だと面白そうです。
子連れ狼
50年近く前の名作が、今読んでも面白いのってすごい。ちょっと課金してもいいと思うくらい、本当に面白い。
難病が教えてくれたこと9~死に至る感染症~
難病じゃなくて、診断とかが難しい病気の話。あと感染症と関係ないのに主人公が突然レイプされていて、びっくりした。
江戸常勤家老 隼人の剣
主人公、蔭腹切ってたよね?なぜ、生きてる?手当てして生き延びる価値感は、ありなのか?
[poor] (プア) ゼラニウムの誘惑分冊版
花があまりにもゼラニウムに見えなかった。編集の人もあれでいいって言ったのかな?お話自体は先が気になるので、最後まで読むと思いますが、サブタイトルにもなっている小道具の雑な扱いに、ちょっと気持ちが冷めた感じがあります。
DINO
こういうダークなヒーローものって、読むうちに主人公が破滅しないように祈るみたいな気持ちになるけど、ハッピーエンドならハッピーエンドでズッコケた気がするから不思議。

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100%
普通の職場ものの話って、この作者さんは書けないのかも知れないね。くだらなくて、ちょっと哀愁のある感じが、平成。
弐十手物語
熱血ヒーロー型の飯伍より等身大に思える鶴次郎の方が、時代に受け入れられたというような書評を読んだことがあるけど、段々鶴次郎の方が何かの教祖みたいに人間らしさが無くなっていったのが皮肉でした。女の話も、最初の3人とお父っつぁん位まではすごく良かったです。後の方は死んでも替えがきく生き物みたいになってしまって。
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