J*****さんのレビュー一覧

HIMAHAN-Z
ストーリーや構成、作画はそれなりの水準です。仮想世界に行ったきり意識の戻らない姉を現実世界に連れ戻すため、主人公の少年はみずから問題の仮想世界に入ることを決断する。テンプレ設定がてんこ盛りですが、お気軽に楽しめる仕様と思えばよいでしょう。全巻無料でなく、続きが気になるところで無料配信は終わっています。
ザ・シェフ
「ザ・シェフ」というタイトルながら、料理勝負ものではありません。調理の蘊蓄やノウハウについては深入りせずさらりと流す程度、食欲をそそる美味しそうな料理の画も登場しません。むしろ、主人公が料理を通じて出会う人々とのヒューマン・ドラマが主軸になっています。
ROAD~輝ける道~
駅伝に対する知識も関心もまったくない自分がグイグイと引き込まれる導入です。所属元では補欠やマネージャーといった者ばかりを寄せ集めた混成チーム「カモメ」。メンバーそれぞれの為人や人生が活写され、生き生きしたドラマが展開します。原作者の心情表現の巧みな点は本作でも変わらず、駅伝に興味のない読者も一度お試しあれ。
水神鳴 〜明治想愁妖異譚〜
龍神の生まれ変わりを始祖に持つと言われる空世一族。その末裔である青年ライと少女たまきが本作の主人公です。二人はその異能で、妖と対決していきますが、対妖戦闘がメインではなく、人と妖とにまつわる切ない時には悲しい心情表現を柱とした構成です。90話まで一気に読みましたが、続きが気になります!
Jドリーム 完全燃焼編
’94W杯アジア予選を描いた「Jドリーム」、ワールドユース編の「Jドリーム飛翔編」に続く最終章となる本作では、’98アジア予選を描きます。リアルで日本代表がW杯本選出場を決めたジョホールバルの歓喜に対して、フィクションでどういう内容とするかは作家の腕の見せ所となるところ、十分読み応えのあるドラマに仕上がっています。主人公である「鷹」から脇キャラ一人ひとりに至るまで溌剌とした存在感を放ち、完成度の高い群像劇でした。無印、飛翔編と併せて一読する価値あり。
Jドリーム 飛翔編
前作「Jドリーム」の続編です。’94W杯アジア最終予選を終えたのちのストーリー。本橋や本郷といった30代の選手がいた前作と違い、今作はユース世代の群像劇です。ワールドユース選手権(現在はU-20ワールドカップ)を舞台に熱く激しい闘いを経てチームが高みへと昇華してゆくさまを一気に読ませる筆力が冴え、前作同様脇キャラにもきちんとスポットライトが当たっています。各巻末にはやはり前作と同じく裏話満載のあとがきと、最終巻には「松永成立物語」も収録されています。
Jドリーム
同じ原作者の「オフサイド」に続き読んでいます。こちらも秀作です。熊谷五郎たちがW杯の「ワ」の字も語ることを許されなかった’80年代の「オフサイド」から時は進み、日本代表がようやくW杯出場に手の届くところまできたJリーグの黎明期を描いたストーリー。本作の主人公「鷹」はフットボールにかけては突出した異才。脇キャラもそれぞれ人物像が細かく描かれ、魅力ある群像劇に仕上がっています。各巻末のあとがきには、原作者による興味深い裏話も掲載。
オフサイド
文句なしに熱い、激しい、そして何より面白い。さすがに30年以上前の作品とあってキャラの髪型などは当時を偲ばせるが、内容じたいは全く古さを感じさせない。画力も高い。個人的には同じジャンルに属する「キャプテン〇」より好みの絵柄。主人公側にもライバルにも魅力あるキャラが揃い、時を忘れて没頭した。。。フットボールをここまで魅力的に仕上げた原作者に敬意を。奇しくも、現在、全国高校サッカー選手権大会が開催中。彼らが二度と還らぬ時間を悔いなく走り抜くことを願う。
ケーキの切れない非行少年たち
重い・・・ 冒頭の4話読んだだけでもうお腹いっぱい。 障害ゆえ社会で理解されない・生きづらい人に対するケアやコストをどう考えればよいか。事件がおきて被害者が出る確率をどうやって下げればよいか。現場でケアや治療にあたる医師たちはさぞ大変でしょう。。。
葬偽人
仕事人がカネをもらって人を殺す、という内容ではありません。コンフィデンス・マンが標的を引っかけ復讐をとげるストーリーです。死の淵まで追い詰められた被害者が最期の救いを「葬偽屋」を名乗る組織にもとめ、彼ら葬偽屋がコン・マンとして脚本作りから舞台設定そして実行まで、標的を騙す仕掛けを講じていきます。被害者の受けた傷じたいはかなり深刻ですが、そのぶん、仕掛けがハマり騙し切ったときの「ざまぁ」感を味わえます。
マッシュ~時代より熱く~ 完全版
1990年から週刊少年サンデーに連載された作品。学もカネもない主人公マッシュには卓越した画才があった。彼は画家を志し南仏・マルセイユの片田舎を出てパリの美術学校に入る(入学に至るまでひと苦労)。純粋な主人公に比べ、マッシュを贋作者にしようと画策する父・ヴォスをはじめ人間のクズや悪党ばかりが次から次へと登場する。マッシュは一握りの善良な人々とも出会うなか自らの絵のありようを探求する。原作者・山田貴敏氏の画力が光る一作。
おとぎ奉り
「BTOOOM!」「怪獣自衛隊」の井上淳哉氏の作。氏が漫画家としてデビューして間もない頃に描かれたせいか、キャラの掘り下げに物足りなさを感じるものの、高い画力とスピード感ある展開で一気に読ませます。青龍・朱雀・玄武・白虎が神器としてひとに宿り、妖と対決する、というもの。神器とはいえ、使用回数制限やパワー不足など諸事情(?)により主人公側も追い詰められかなり苦戦します。「怪獣自衛隊」と同じく人外や異形の作画がリアルです。
Artiste
主人公は気弱で他人と接することが苦手なフレンチ・シェフ。その一方で、落とし物の臭いから落し主を推測できるほど常人離れした嗅覚と味覚を持つ。異才を買われて、新規開業するレストランに副料理長として引き抜かれる。コミュ症ゆえ、クセの強いスタッフたちと打ち解けるまでひと悶着、食材の保存ミスの後始末など彼には苦労が絶えない。キャラの描写が巧みで読者を飽きさせない。ただ、主人公が卑屈すぎてダメ、という読者には不向き。読む人を択ぶ作品。
怪獣自衛隊
この書名にそそられる人がどれほどいるか・・・タイトルが安っぽく見えて損しているかも。突如として日本の領海に巨大海洋生物が出現、船舶を襲い次々に犠牲者が出る。テンポよく一気に読ませる内容で、作画もいい。イソギンチャクのように触手で捕食するシーンが非常にリアル。フィクションとはいえ、国防上、今の日本が直面する潜在的な脅威にも重なる。
美醜島~ブス姉の逆襲~
4話まで読了。豪華な船旅のはずが、予期せぬ嵐に遭い絶海の孤島に放り出されてしまった華族の令嬢と使用人たち。そこでは生存が最優先、身分などクソくらえ、ルール無用の容赦ない下剋上が始まる。使用人たちに裏切られた令嬢には何かスィッチが入ったのか、凌辱されつつも頭の中では冷静に周囲を観察し、反撃の機会をうかがう。このあとの展開が気になります。
BABEL
正直内容はほぼ無いようなもので秀でた作画(だけ?)が見どころの作品。キャラの造形は実在する有名人をモデルにしており、読者は自分が顔を知っている有名人が何人登場するか数えてみるのもいい。そっくりな姿形は法的に問題ない?
ナニワ金融道
社会人になる前に一読しておくとよいのでは? 独特のクセの強い作画で内容もえげつないため敬遠する人もいるだろうけど、大事なのに学校では教わらない知識を得られる。街金の世話にはなりたくねー
将太の寿司 全国大会編
前作「将太の寿司」の続編です。料理バトルのクラシック。どれだけ叩かれても折れない主人公と個性的なライバルたち。原作者の食に対するこだわりが伝わってくる労作です。また、後日談である「将太の寿司2 World Stage」では時代は下って、関口将太、佐治安人らは脇に回り、彼らの息子たちを含む次世代の職人らが主役です。
罪の子
画力はあるが、内容はつまらない。舞台は近未来の某国。物語は「罪の子」と判定された一人の新生児が殺処分されるところから始まる。同時におこなわれた両親のDNA解析によると二人から「善の子」が生まれる確率は低く、夫婦は出産権を終身剥奪されてしまう。しかし、これはおかしい。二人のDNA解析なら婚姻前にすればいい。解析の結果「善の子」が生まれる確率が一定水準を下回るカップルには婚姻・妊娠を禁止すればすむ。出産後に二人のDNAを解析しても遅い。しかも、先の夫婦は五回目の出産だという。夫婦の相性を見極める機会は何度もあったはず。冒頭から杜撰な設定のおかげで一気に読む気が萎え、政府・(一種の)人種隔離政策vsレジスタンスという構図も申し訳程度の設定にしか見えない。脚本・演出がお粗末。
喰わせモン!
読み進められる人は楽しめる。しかし、積極的にひとにお勧めできない。主人公は鑑別所あがりで口は悪い手癖は悪い、すぐ人に手の出るヤカラ。最初の数話で嫌気がさして離れる読者がいてもおかしくない。アウトローが主人公でもいいし、キャラ立ちを狙いあえて街の無法者と設定したのかもしれないが、その狙いはプラ・マイでマイナス効果のほうが大きかったのではないか。
十五の肖像
1話完結。15才の繊細な内面をそのまま活写した作品でした。ふわりとした作画もよかったし。瑠里めっちゃいい子やん。
神アプリ
絵柄に見覚えがあると思ったら「怨み屋本舗」の原作者・栗原正尚氏の作品でしたか。表題「神アプリ」とは街の防犯カメラ、信号などのハッキング、戦闘用アイテムの購入など違法行為を堂々と実行できるアプリのことです。ただ使用する対価やペナルティが・・・。このアプリの入ったスマホが主人公のもとに届くところからお話がスタート。アプリの運営元やその目的など仔細は徐々に明らかになりますが、序盤の展開はすこしダルく感じます。キャラと情報が出揃うにつれ、話にも勢いが出て読みやすくなっています。
将太の寿司2 World Stage
「将太の寿司」から18年後を描きます。関口将太の息子・将太朗は、日本にやってきたフランス人寿司職人と出会い、寿司について否応なく新しい発想を突きつけられます。渡仏した佐治将太(佐治安人の息子)は、現地で日本人とは異なる味覚に対応しようと試行錯誤を繰り返します。二代目たちがいまの時代ならではの課題と向き合い研鑚するストーリーはもっと評価されていいと感じました。連載は2013~2015年。原作者の食に対する熱量は尽きず、作画にはさらに磨きがかかっています。
T-DRAGON
作画力がもったいない。設定や構成をもっと緻密に組んでおけば良作に化けたかもしれない。ひとのサイズを小さくするにしても、わざわざ人類側に不利になるまで小さくする必要ある?。そんな超技術があるなら、もっと別の戦い方もできるのでは?。設定の細部が雑だと作画のよさも霞む。
アンリミテッド(Unlimited)
危うい主人公ですね。犯罪者の心理を一番よく知るのは同じ罪を犯した者、という理由でキャラが警察に協力する作品としては「羊たちの沈黙」が有名ですが、本作の主人公は学生で「まだ」罪を犯してはいません。彼が辛うじて「こちら側」にいられるのはストッパー役の存在が大きい。内容はグロですが綺麗な作画です。
小悪魔教師サイコ(分冊版)
主人公のキャラデザと本性とのギャップがえぐい。彼女は金属製のスコップでひとの頭蓋を砕き、肉の裂け具合や血の滲むさまを、ナイフでひとの腹を割いて内臓の色あいを興味津々で観察する人物です。本人は嬉々として行為をなし、それでいてどこまでも冷めています。いちおう、自分の行為が犯罪という認識はあり、隠蔽する工作も抜かりありません。「味もみておこう」の露伴先生タイプならまだ可愛げもあるのですが、むしろ吉良吉影に近い人種です。教員である主人公の標的はいじめの加害生徒という点が救いでしょうか。
ブラック・エンジェルズ
処刑されて当然と思えるくらいの極悪人が次々登場します。極悪な連中の手にかかり落命する被害者も多く、救われない話も少なくありません。こうした陰惨なストーリーが当時少年誌に連載されていたことに驚きます。前半は仕事人さながら闇の裁きのお話し、後半に入ると舞台は戦争後の荒廃した世界へ一変します。いわゆるヒャッハー!な人たちが闊歩する世界です。主人公と敵との戦いは超能力合戦となり、ファンタジーの度合いが強くなるためリアル志向の読者は興ざめするかもしれません。
喰いタン
「ミスター味っ子」「将太の寿司」でおなじみの寺沢大介氏の作品です。食に推理の要素を絡めたつくりで、料理勝負ものであった先の二作品とは 趣きが異なります。おおむね各話一話完結。作者の食に対する強烈かつ貪欲なこだわりは本作でも変わりません。
美醜の大地~復讐のために顔を捨てた女~
それはもう凄惨な復讐劇なのですが、作画が丁寧なこともあり後味が悪くなることはありません。原作者の緻密なストーリーテリングに乗せられ、物語の展開に没頭できるはずです。続きが気になって仕方がない、そんな作品のひとつです。
包丁無宿
時代設定はいつ頃でしょう。昭和30年代~40年代あたりでしょうか?腹巻にわらじ履きという姿は現代の都会ではまず見かけません。季節を問わず草鞋だけでは真冬に凍えそうです。腹巻に刃物を差して歩いていれば現代では間違いなく警官がすっ飛んでくるはずで、それが許されていた大らかな時代もあったのでしょうか。 敵役としてショッカーのような組織も登場します。黒包丁と名のる組織で、主人公を料理勝負で負かすため次々と刺客を送り込んでは返り討ちに遭う役どころです。黒包丁の刺客たちは山奥にこもって料理修行に明け暮れている、という設定なのですが、働きもせずいったいどうやって生活費を捻出しているのでしょう。今で言うニートのような集団です。彼らは悪どい手段で店を乗っ取ることもやるので、そうした店からの上がりがあるのかもしれません。 ツッコミどころも多いのですが、意外にまともなエピもありそれなりに楽しめる内容です。
将太の寿司
以前に読んだ覚えがあり、懐かしく再読しました。本編の絵柄は同作者の作品「ミスター味っ子」の延長線上にありますが、次編「将太の寿司・全国大会編」のキャラクターデザインはずいぶん変更されています。同一人物のキャラが別人に見えました。 作画はさておき、寿司ひとつの素材で毎回さまざまなドラマを創り出す作者の力量は尋常ではありません。主人公が辛酸をなめ修羅場をくぐって成長する姿は清々しい。
鬼門街
まだ冒頭を読んだだけですが続きが気になります。 スタンドでなく鬼が人に憑りつく話。
板前鬼政
唐突なエンディング(打ち切り?)に納得できませんでした。毎話、同じような展開の繰り返しで新味が失せたせいでしょうか。ほかに気になったのは、各エピでメインとなる女性キャラの顔がみんな同じ顔に見えることです。明らかな年配者や年少者は違う造形なのですが。。。描き分けるのが面倒だったのでしょうか。
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