せっかくの本格的なバレエまんがですが、メロドラマのような安っぽいストーリー展開が残念です。悲劇で話を盛り上げなくても バレエに打ち込む日々、レディとマーシーの恋、仲間たちとのライバル関係や友情。それらを ヒロインの成長と絡め、美しい作画で丁寧に描写すれば、十分に読みごたえのある作品になったのではないでしょうか。

いっそのこと４人一組でのハッピーエンド（？）を迎えさせればよかったのではないでしょうか？ ここまで一般常識の上をいく、たがの外れたキャラたちを描いておいて、最後なぜ無難なかたちにまとめてしまったのか不思議で仕方ありません。

あまりにも壮大過ぎる物語、宇宙や宗教的なにおいすらも感じるこの作品に完全においてけぼりを食らいました。 ファンタジーものが不得手なためか、神々たちというのは自由奔放で救われる事もあるかもしれないけれど、同時に困難な存在でもあるなぁ。。という、うすい感想しか浮かばなかった次第です。 それにしても当時のぶ～けは水樹和佳子、文学的作品の吉野朔美、独特なコメディーセンス松苗あけみ、せつなさの名手耕野裕子等、 個性的な作家陣、恋愛もの一辺倒ではない異色の少女誌でしたね。 別誌掲載作品の総集編があったりと、盛りだくさんのあの分厚い小さな雑誌がなつかしいです。

主人公静也の中身はたしかに男も惚れるような二枚目。 けれどいくらサングラスに白スーツで決めてもまるでお子様のようなルックスで 女性たちから次々と思いを寄せられるのは解せませんでした。 やはり主役は龍宝のような男性がいいです。 昼は猫背でボサボサ頭のメガネ姿、夜はその素顔を存分にさらす。。。 そんなドンだったら、モテ人生なのも納得なのですが。 コメディだけれどバイオレンス度高めのストーリー、 辟易する描写もありますが、まぁまぁたのしく読めました。 全108巻、長いですね。巻を追うごとに聖母化しつつある秋野さんが気になりますが、全巻制覇するのはなかなかきびしそうです。

へき地医療マンガということで 診察を通し島民たちとの交流を描く、心理描写中心の心温まる作品かと思っていました。 しかしこんな離島でと思うほど事件・事故が頻発、手術シーンも多く割とハードなストーリー。島民もきつめのキャラ多しでほのぼのさとは程遠かったです。 美しい島の風景の中、自転車をこぐDｒ.コトーのドラマＣＭや やさしい絵柄から持っていたイメージとは大分ギャップを感じました。 ハートフル詐欺？いやこちらが勝手にだまされただけなのですが。。。

荒唐無稽でご都合主義、突っ込み所も満載でしたが 勢いあるストーリーや個性的な登場人物たちによるものでしょうか、 ほぼ一気に最後まで読み終えました。 不運に次ぐ不運に見舞われても常に前向きなヒロインたち。 それらを乗り越え、ついにアメリカンドリームを掴み 大団円かという所で最大の不幸に襲われる展開に閉口。 親子関係、嫁舅関係、裏ヒロインかおりの恋心などケリを つけるべきものは山積なのにすべてスルー。 あまりにも不自然で取って付けたかのようなエンディング。 ただ単に作者が衝撃的な結末を描きたかっただけとしか思えません。いったい26巻もかけて何を言いたかったのか、テーマというものが一切感じられない作品です。 読後にどっと疲労感が押し寄せました。

繰り返し現れる関根くんにせまる女性たちに多少胸やけしましたが、総じて好きな作品です。心にふたをして生きてきた関根くんが恋に目覚め、ささいなことに喜びまた絶望している。３～４巻が一番楽しかったです。ふたりの思いが通じ合うのがもったいないくらい片恋に右往左往する関根くんはかわいかった。永遠にその姿を見ていたかったです。最後彼女の名前を呼ぶことが出来てよかった、けれどフルネームじゃないと呼べないというのがなんとも不器用な関根くんらしい。惜しむらくは最後の最後、背中越しの（初の！）笑顔。それを唯一目にできるのは彼女であるサラだけの特権ということでしょうか。

う～ん、泥酔した女性部下に手を出す上司、どうなのでしょう。素面の時にしてあげてほしい。美波作品は大好きなのですがこのお話は肌に合いませんでんした。

ちょっと変わり者な彼が最後にした「忘れ物」を告白する場面が好き、ラストシーンのセリフもいいです。

関根くん主役の４話「シュークリーム」目当てでしたが、そこに描かれていたのは「関根くんでありながら関根くんでない関根くん」でした。。。関根兄くらいの感覚で受け止めたらちょうど良いかもしれません。最終ページのマジシャン関根＆サラのイラストにはこころときめきました。