wab********さんのレビュー一覧

あかりとシロの心霊夜話<分冊版>
中学生の怪談話がマンガになったら、きっとこんな感じなんでしょうね。ストーリーも絵も漫画家志望の中学生。
呪いのシリーズ
まあまあ、かな▼「人を呪わば穴二つ」という教訓がちりばめられています。ちょっと気に食わない、という程度で安易に人を殺めてしまう人が続出する世相に対して「良く考えてみろよ。殺した後のことを考えてないだろ、お前達」という話なのかと思うのですが、説得力が強いとは言いがたく、コンセプトだけで読めてしまうマンガ。▼作者もそれは理解しているのであろう、お人形さんの過去のストーリーとか、呪術師と夢使いの対決など趣向を変えようと努力しているけれど、★3つ以上は難しい。
外道主義
どこが面白いですか? どの話もありきたりのストーリーに釣りという味をつけただけでしょ。 釣られたワタシがアホでした、というオチでしょうか。
賭けからはじまるサヨナラの恋
そこそこに面白いんだけど、私には里村の人間性がわからない。初めてのデートでいきなり頭ナデナデなんて、優柔不断な男ができるわけないと思うわけです▼いろいろと設定、流れに無理はある。それでも奈央の恋の行く末が気になるわけです▼ところで、一話88円って、高くないですか?
姫乃ちゃんに恋はまだ早い
いかん、ダメだ、巻を読み進めるうちに、じわじわと面白くなって行く。姫乃ちゃんがいじらしい。がんばれ。
殺し屋1
極悪人と冷酷無比な暴力の連続。生理的に耐えられるレベルを超えていました。「この程度、いくらでもあるじゃん」という方がいらっしゃることは否定しません。
かけはぎのひと
「いい女だねぇ」と思わず言っちゃいました。 絵は、掛け接ぎ職人をしている女性の技量や内面までを活写しています。 ありふれた、けれど愛おしい日常をはみ出すことなく描く物語の数々。 いい話を読んだねぇ。 今日は、久しぶりにコップ酒で一杯いきますか。
麦くんに恋をしてはいけない
読み続けたら面白いのかもしれないが、有料部分に到達する前に挫折。ちょっと思わせぶりが多すぎてついていけなかったという感じ。
寝台鳩舎
ファンタジーアートのような画風が、不思議な物語とマッチしています。物語の世界は、何回読んでも理解できませんでしたが、きっと、このようなファンタジーの世界を受け入れられる人たちもいるのでしょう▼エンデの『鏡の中の鏡』は、不思議で理解が難しい物語ですが、作品が語る世界を追体験できて、ある種の恐怖を感じるのですが、この作品では、追体験も難しいようです。
齋藤なずな作品集
諸説あるとは思いますが「文豪シリーズ」派です▼青春期の、狂おしく、自らの発する熱で自他を焼き尽くさずにはいられない情熱の炎の揺らぎ。漱石や賢治など、今まで少しだけ知っていた人たちの息吹を感じることができました。作画の雰囲気も明治期を描くのに良く合っていると思いました。
おふろどうぞ
お風呂が陰の主役という短編集。チケット使って一気に全話読みました。不倫とか、同性愛とか、仕事の疲れとか、介護の疲れとか、人生の中でお風呂が求められる場面の何と多いことよ▼まあ、そんなこともあるんだろうね、と思いながら読みました▼使い切れないほどチケットをもらったので読みましたが「待って」まで読みたいとは思えないかなあ。
片々草紙
アメリカに、オー・ヘンリーという作家がいた。庶民の暮らしの哀切を描いた短編を多数残した。「最後の一葉」、「賢者の贈り物」などの作品を覚えている人も少なくないはずだ▼このマンガは、日本版・マンガ版のオー・ヘンリーと言っても褒めすぎにはならないのではなかろうか。どの作品も、人生の陰影がくっきりと描かれている。余韻を残したオチの付け方などは、オー・ヘンリーよりウマイとさえ感じるほどだ▼ちょっと、つげ義春的な物語も感じられて叙情性もあり、じっくりしっとり世みたいマンガ。
塔子さんはいい大人じゃいられない
マッチングアプリで知り合った27歳のキャリア・ウーマンと18歳高校生男子の恋物語。分不相応な相手に愛される女性の夢を描いたシンデレラストーリーの一種▼白馬の王子さまに憧れる女子の妄想を描く盤石の展開だが、ヒロインが仕事ができるデザイナーで、相手が老成した高校生という設定に新味があるのかもしれない▼イイ年をだいぶ過ぎたオッサンである私が、塔子さんに肩入れし、有料巻を買ってしまうほど惚れ込んだ理由が謎である。
カノジョになりたい君と僕
登場人物たちの会話が、お説教くさいと感じられて最初は読み切れるかどうかわかりませんでした。だんだん、彼ら・彼女らの切ない思いが沁みてきます。チケット買ってでも読みたくなりました。
ケーキを買いに
甘酸っぱいヘンダイというか、若い頃は何でもありなんでしょうね。どこまでがノーマルでどこまでがヘンタイなのか、そんなことも考えずに、ただ、エロでしたことなんです。
組長娘と世話係
だいたいタイトルと表紙絵から想像できる内容。普通におもしろい。時間つぶしにどうぞ。
関根くんの恋
デキルオトコと純朴な女子のシンデレラ・ラブストーリーの傑作▼読み始めたら、チケット使い果たして終わりまで一気読み▼関根さんの背中に抱きつく孫....振り向いたらタヌキがいるんじゃないかと心底恐れる関根さん。このシーンで涙腺決壊と同時に爆笑▼こんなに切なくて甘やかで豊かな恋愛マンガはなかなかないよ▼仕事ができて、スポーツ万能、さらにその上ルックス抜群(見た目については、同意しがたい絵面だが、そういう設定なのだろう)の関根君が、純朴で素直なこと以外に取り柄のなさそうな女の子に駄々惚れになって、最後に恋が実るというシンデレラのストーリーは、女子の妄想が生み出した王道マンガのはずだが、オトコであるはずの私が読んでも胸キュンとなり、関根君を応援したくなるのはなぜだろう。これだけは謎である。
彼女のカーブ
女性の身体のパーツがモチーフの短編集。第1話が胸、第2話はうなじ(のほくろ)、第3話は薬指....。表紙のようなハダカのシーンがしょっちゅう出て来るわけではないし、出て来てもエロさは感じない▼エロではない。かと言って、生きるとは何か? などと人生の深遠なテツガクを感じさせるわけでもない。どの話も軽い▼むしろ、軽さが持ち味なのだろう。クスっと笑える話や「うん、これが男と女だよね」と妙な納得感のある話など、軽い中にも存在感のある不思議な作品群である。最後まで、一気に読み終えてしまった。時間とチケットを使った悔いは(あまり)ない▼銭湯で二人の女の子が出会う第5話はわかりずらい。女の子の顔が区別できなかったのが問題。登場人物がどの顔も同じに見える。双子の姉妹が主人公の話題なら、それで良いんだけどね。
お前はまだグンマを知らない
『翔んで埼玉』を参考に、さらに絵柄を過激にしたら面白くなると考えたのかもしれない。もし、そうだとしたらあまり成功していないんじゃないかな。
不沈戦艦紀伊
日本軍の主な敗因は、インパール作戦を引き合いに出すまでもなく、補給の弱さであることは言うまでもない▼紀伊型の戦艦が、計画どおりに建造されていたと仮定してのストーリーを描く際、米軍の圧倒的な物量に対抗する弾薬等の補給についてシビアに描かれなければならないと思う▼かわぐちかいじが描く『ジパング』ほどのリアリティすら感じられない。
オリベ
織部さん、どこにでもいそうで、誰でも同じことをしていそうな女性。フリーターでお金はないが、しっかりと生きている感じがする▼描かれているのは、何の変哲も無い日常のはずなのに、読んでいると止まらなくなる。どんどん、次が読みたくなる。魔法のような作品。
もい鳥
小型妖精「もい鳥」の観察記録。もい鳥は全長2~3センチ。カワイイ生きものが好きな女性に好まれる。生態観察をする者に癒やしをもたらすため、疲れたときに、一話読むと清涼作用がある。刺激が欲しいときには不適。
小悪魔教師サイコ(分冊版)
ワルい生徒をを殺しても動じないサイコパス高校教師の話。バイオレンスものの学園版。悪をもって悪を制すおなじみのパターンだが、美人の若い女性教師がサイコパスだったという設定が新味。
おとぎのファルス
声を出して笑いたいマンガ認定▼ストーリーの軸は、王城内の権力争いと魔法使い、王の隠し子と殺し屋のラブロマンが入り乱れる。シリアスであるはずなのに、機雷のようにばらまかれたギャグが炸裂する▼もらったチケットとポイントを使い果たしちまった傑作。
いつかティファニーで朝食を
人間生きてりゃいろいろあるけれど、とりあえずおいしい朝飯を食べてれば大丈夫さ!▼と、いうので、朝ご飯を食べに行った先の店やレシピがリアルに描かれて「うん、確かにおいしそう。少し元気がでるかも」と納得する▼30歳ともなれば、長年同棲したオトコとも縁を切りたくなるOLがいれば、近所づきあいや子育ての大変さをわかってくれないダンナに怒り心頭の主婦もいる。仕事に行き詰まったりすることも。明日の朝はおいしいものを食べに行こう、そう思えるだけで、ささやかな幸せ。巻頭には、おいしい朝食の食べられるお店のガイドや、自分でご飯を作るときのレシピが収録されています。
君の薫る星 永田礼路短編集
Excellent!最高!▼作者、めっちゃストーリー作りがうまい。第1話、難民の花売り女の子が、三人の大学教授と話をするうちに、学校に通うことになったっていう、どうってことない話なのに、読んでいたら泣けてきた▼オチの付け方も秀逸で、どの話でも最後のコマで引き締まります▼絵柄はずいぶん違いますが、SFモノが多いところやストーリーのうまさ、オチの付け方など石黒正数氏と通じるところがありますね。
まーぶるインスパイア
ユルい日常に、お色気で味付けしている。
お前の寝言がわからない
一組の同い年の男女が、ひょんなことから同居し、二人の生活の違いから起きるトラブルを面白おかしく描く一話完結もの。この流れだと大体、ラブコメになるのですが、生真面目な男子の頑張りのため、安直な方向に流れません▼恋愛を描くのでなく、他人同士が同居すると、あたりまえに生じるであろうアツレキを誇張した作品。作者自身、もしくは作者に近い人が結婚(または同棲)して「いやあ、参ったよ。実は昨日ね××なことがあったんだよ」といった類いの話がたまって、マンガにしてしまったという推測をいたしました▼文系女子vs理系男子という説明がされていますが、どこにでも起こりうることが多いです。新婚さんあるあるではあるのですが、どの回もオチがすばらしいので、読んでいて飽きません。とにかく面白いです。
ハルコの晴れの日
全巻無料でも4話以上読む気になりませんでした。ありがちなパターンで失恋を続ける派遣秘書の物語です。心安らかに時間を潰す「スキマ時間」が必要なひとにはピッタリかもしれません。
書店員 波山個間子
本が大好きな書店員さんと、その周辺の人たちが本について語り合う▼基本は1話に1冊の本が紹介してあるのだけれど、ヘッセの『車輪の下』など有名なものがあれば、珍しいものもある。不思議な特技を持つ元SEさんがお勧めの本とか、少ない手がかりから昔読んだ本を探して欲しいと言って本屋に来たオバサンとかとのやりとりが全てでとりたててのストーリーらしいものはない。大学生のバイト君と彼女(候補)の行く末なども気になります。14巻以降も描き続けてもらいたい作品です▼それぞれの巻で実在する本の魅力が紹介されるので、読んでみたくなります。文庫本の解説のおもしろさに気づいたり、本の魅力は伝わります。
ディエンビエンフー 完全版
全巻無料だから最後まで読み通しました。かなり辛かったです。スプラッタの連続が▼一応、ベトナム戦争のリアルな戦闘を描いているとは思うのですが、あまりに現実離れした超人同士のバトルにはついて行けません。血みどろが好きな人向けなのでしょう。ごく普通のチキン魂を持った私には心臓に悪いです▼終わり方もまた唐突。え?いつの間にそんなコトになってたの?という疑問の山を抱えて呆然としています。はい。
Deep Love[REAL]
すごい世界があるもんだねぇ~、と思ってしまいました。
戦海の剣_死闘
前作に引き続いた第二部。▼第1話から第52話まで、息のつまるような戦闘シーンが続き、緩むことがない。戦闘シーンだけではない。勝敗が決した後に潜水艦の乗務員を深海から救出するまでを描いた47~51巻が泣ける。▼傑作と呼ぶことにためらいはないが、あり得ない超能力を発揮する「ラビット」、潜水艦に積み込む燃料電池+リチウムイオン電池の出力で超伝導電磁石を駆動、などなど「ありえないだろう」とは思うがファンタジーだと思おう。▼潜水艦と大型の航空母艦との戦闘で白兵戦が描かれるのにもびっくりするが、スターウォーズでも一対一の白兵戦があったから、そこもあまり突っ込まないことにしましょう。▼おそらく、作者は第三部として”剣”と”くろしお”の死闘を描く構想を持っていたのだと思うが、急転直下、戦闘が描かれることなく結果だけが知らされて終わる。打ち切りになったのかもしれないが、これ以上の戦闘シーンを描くのは難しいと思ったのかもしれない。
花板虹子【完全版】
料理人のマンガ。男尊女卑の料理人の世界にあって女性の板長を主人公に据えることによって起きるアツレキとか、男女共同参画社会のリソウとかを語りたいのだろうなぁと思いますが、一つひとつのエピソードが面白くなっているようには感じられません。主人公が変装する意味も良くわからないです。
戦海の剣
身の毛のよだつ緊張感の連続。
アンサンブル
作品の発表は1994年、ジュリアナ東京が閉店した年である。バブル経済が崩壊。経済が急降下を続ける日本社会の中に生まれつつあった価値観をエンジンとして、極限まで突っ走った傑作。笑えて、ほろりとして、暖かい読後感に包まれる。 元トップモデルの菜摘が惚れ込んだ男はとんでもない善人にして、お人よし。某マンガのせいで「究極」も「至高」も「他よりちょっとウマイ」くらいの意味に落ちぶれているが、究極の善人・至高のお人よしとは、見ず知らずの人を助けようとチンピラに殴られる男であり、やっと手にしたボーナス全額を見ず知らずの人に貸し与える。そして「お金が戻って来なかったとしても、返せなかった人は、返せなかったことで深く傷つく」と笑って言うのだ。こんな男が夫であり、父親なのだから、菜摘と娘は赤貧の暮らしを強いられ、味噌汁の具が道ばたに生えている雑草だったりする。それでも、三人とも底抜けの笑顔で暮らしている。 トップモデルまで上り詰めた菜摘に、そのような暮らしができるのは不思議だと、彼女の過去を知る人は言うが、逆であろう。バブルの絶頂期の虚飾の経済を実際に体験したからこそ、卒業できたのだ。彼女の「リタイア」を不思議に思う人は、バブルの光と陰を心底味わっていないのだと思う。金銭的には恵まれなくても、誠実に暮らしていたい、他の人を出し抜いたり蹴落としたりする仕事はもうしたくない、そのように思ったのは菜摘だけではなかっただろう。そのような価値観を共有できる土台があって、この作品が結実したのだと思う。
のぞき屋
のぞきを武器に不正を糾す! とか言いたいのだろうと思いますが、ピーピングの快楽に火をつけるためのマンガです。
ひらけ駒!
『ひらけ駒Return』の「あとがき」を読んで、『Return』の前に、こちらの作品があったと知りました。菊池親子が、棋士や友人と将棋を通じて交流し、成長して行く物語です。等身大の小学生棋士の日々がほんわかと描かれます。でも「ああ、こういう子が強くなるんだろうな」とも思います。 菊池宝クンの母は、最初に出て来たときは見るからにオバサンでしたが、巻を追うごとに若返り、可愛らしい顔立ちになって行きます。これも、将棋の効用でしょうか(笑。 女流棋士の描き方がすごく面白いですが、伏線が回収しきれていないもどかしさもちょっと感じます。9巻以降が書き継がれなかったためであることも、『Return』のあとがきを読むとわかります。
奥州藤原四代
高校までの日本史の授業では、奥州藤原氏が中尊寺を建てたとか、三代の栄華の果てに頼朝に滅ぼされたとかいうことしか習わなかったような気がする。どのような経緯で奥州に一大勢力圏が生まれたのか、蝦夷との関係などの、当時の物語を知ることができる歴史マンガ。ストーリーはよくできています。作画・解説もわかりやすい。
43歳、子供部屋おばさんだって愛されたい
43歳独身女性による、出会い系利用のフィールドワーク。 騙されたり、性欲のはけ口にされたり(それは、それなりに楽しいそうだ)いろいろあるというお話し。性にまつわる不幸はマンガのネタとして優良コンテンツだなあとあらためて思う作品。
辻占売
いつでも無料だから、★★★★。 待てば無料なら★★★。課金作品だとしたら、★★。 登場人物の性格描写、設定はありがちで特に珍しくない。ストーリーは平凡。#20まで読んで、先を読まなくなりました。
サトラレ
このマンガが全巻チケットで読めるとは、なんて素晴らしいことでしょう! 思念を発信してしまう特異な能力を持ち、天才級のIQを持つ複数の「サトラレ」たちのケーススタディが並んでいる。それぞれのケーススタディは読み切りだが、全体としてつながりあっている構成が見事。ストーリーづくりの巧みさが光る。チケットが続く限り・時間が許す限り一気読みしたくなる作品。
兄だったモノ
13まで読んでの感想。 この段階では謎が謎のまま。悪霊の正体、さらに言えば生前の「兄」の正体までもアヤシイという伏線が描かれている。確かに引き込まれる。傑作かもしれない。もしかしたらとてつもない駄作なのかもしれない。
「子供を殺してください」という親たち
押川という人物は作者の創作かもしれないが、一つひとつの事案は、少なくとも部分的には事実だと思われる。読後感が、非常に重いマンガである。子は親とは別の人格だが、親の育て方によって子どもが壊れていくことがある。現実社会や親との関係を修復する方法は一つではない。押川は、手探りで子と家族、あるいは医療機関、または社会とのつながりを見つけようとする。マンガは、その地道なプロセスを追う。 うまくいくこともある。しかし、第一話で彼は言う「子どもを殺してくれませんか(略)これらはすべて俺のところへ相談にやってきた親たちのことばだ(略)ぬくもりや人間味に欠けた育てたかたをすれば、問題行動として、必ず跳ね返ってくる。それは子どもたちの心の叫びだ。親たちへの復讐だ」 心して読みたい。
インド夫婦茶碗
国際結婚をネタにした実話モノは数あるなかで、これは上出来の部類だと思う。インド人と結婚して、ヒンズー教の式を挙げるという出だしからして出色。時は過ぎて第1子をもうけ、子育てもてんやわんやで面白い。日本の国際化のために、ぜひ継続して欲しい作品。
二鳥翠 黒谷知也作品集
作者は絶対に黒田硫黄の崇拝者だ。 筆を使った絵のタッチ、台詞まわし、ストーリーなどなど、黒田硫黄が沈黙を続けるなか、ポスト大王の地位を狙う気があふれ出している。しかし、残念ながら、この作品集では本家に一歩及ばない。独自の世界を造ろうと格闘しているのかもしれない。摩訶不思議な世界観を確立したら案外いけるのではないかと期待が持てる。
クマ撃ちの女
女性ハンターの物語。狩猟だけでは食えないので、猟期以外はバイトをして生活費を稼ぐ。ほんとうはヒグマだけを狙いたいのだが、食うためにエゾシカやカモを撃つこともある。ヒグマに執着する理由がストーリーの核となっているのだが、このマンガのおもしろさは、銃器の種類・構造・使い方などメカニックな部分、狩った獲物の処理・調理(場合によっては販売)などの食の部分、クマやシカの食害など人間と野生鳥獣との関係....などなどが極めてリアルに描かれている点にある。お勧めです。
無人島で××したらやばすぎた!
ストーリーはあまり面白くないが、無人島でのサバイバル術をリアルに描こうという姿勢が好き。ウシガエルは採って食べても良いが、イノシシをわなで捕獲するのは、狩猟法違反になるのでアウトなどきちんと描いている。それは良いのだが、サバイバル好きの女の子が、ビジネススーツ姿で現れるのはいかがなものか(笑。もう一つ言うと、現地で調達した素材で、ビキニの水着を作るときに、刃物はあったのだろうか、などなど、ほんとにリアルにしようとすると、ツッコミどころがないわけではない。
やれたかも委員会 分冊版
オトコはロマンを語り、オンナは現実を見る。 やれたかやれなかったか、やるまでのプロセスを積み上げる時間、技が必要だとオンナは説く。 手間ひまを面倒くさいと切り捨てるオトコたたちは、夢を見てロマンを語る。
オチビサン
昔は、時間の流れが、もっとゆったりとしていたことを思い出させてもらえる。一話は10コマ以下で行間というかコマ間を読み進めるべきマンガ。 オチビさんは、真夏に早朝の砂浜を歩いて、誰もいない夏の浜が好きだとつぶやく。ただ、それだけで一話が終わる。じっくりと余韻を味わう。
綾。ホステス、18歳。
水商売モノでありながら、珍しくサワヤカな読後感。裏切り、不倫などのドロドロした人間関係のトラブルや暴力の描写も少ない。過去には、いろんなことを背負っているらしいが、女の子がキャバクラでストレートに生きている。先を読むのが楽しみ。基本、当日チケットで読みますが、チケットに余裕があるときは、綾ちゃんにつぎ込みます(笑
ザ・シェフ
主人公の顔とか性格とかブラックジャックにそっくり、と思ったら同じような感想を書いている人がいました。
極主夫道
極道ネタのギャグ漫画ね、と読み始めたときはたいして期待していなかったが、じわじわとおもしろさがきて、ある巻から笑わずにいられなくなった。
かぶきの多聞~大江戸痛快時代劇~
一級の時代活劇。破天荒な主人公と実在の人物が絡み合う、史実と虚構の配分の妙。
一平
一平は、熱血で正義感あふれる警察官。剣道の達人でもある。新米警察官の一平が、事件解決に取り組む中で、剣道や女性との関係が成長していく王道のストーリー展開。緊迫感と笑いの緩急使い分けもウマイ。
釘師サブやん
指ではじくパチンコ台はまだあるのだろうか? パチンコの釘師という仕事自体、今もあるとは思えない。釘師とパチンコのプロたちが繰り広げる、手に汗握るバトルの物語....今も読みたい人がいるのだろうか。昭和は遠くなりにけり。
BODY
ニューハーフのコールガールとその恋人の物語。BLの描写も随所に描かれていますが、乙女の精神に男の身体を持って生まれた主人公の哀しみのようなものを強く感じます。コールガールという生業の顧客との間に起きるいろいろな話、恋人との愛情ある同棲生活などなど、どちらかというとハートウォーミングなお話しです。読んでいるときのBGMはバッハのバイオリン協奏曲第一番がお勧めのようです。
性別が,ない!~両性具有の物語~
高校生向けの性教育の教科書にできるんじゃないだろうか。オゲレツな内容もない訳じゃあないけれど、セクシャリズムの多様性のめくるめく世界に目からウロコが落ちまくる。トイレとか、お風呂とかほんとうに驚く。この漫画では深刻な問題が描かれていないが(そもそもマンガだからねえ)、悩んで困って落ち込んでいる人もいるんだろうなあ、というかそういう人の方が多いんだろうな、ということも薄々感じられる。
女神たちの二重奏
結末が知りたくて、チケットを使って一気読みしてしまいました。途中で足りなくなると「読むとチケット」でチマチマとチケットを獲得しながら。二人の娘の恋物語を応援しながら、わくわくドキドキと読み終えてほっとしました。途中で終わり方の予想はできますし、予想を裏切らない終わり方でしたが、エンターテイメントなのですから、これで良いのです。長男の身の振り方が想定外でしたが、まあ良いでしょう。描画も一人ひとりの性格までを描き分けているようで、上手だと思います。ストーリーは、細かな部分でほころびはありますが、全体として破綻していません。これだけ個性的な面々を配して、大団円に持っていった力業がすばらしい。
紺野さんと遊ぼう
紺野さんはヘンタイだ。ヘンタイを極めようとしている風情さえうかがわれる。「ヘンタイ道」というものがあるなら、既に有段者に違いない。いつもセーラー服を着ている。そして、何かヘンタイじみたことをするのだけれど、性的なことはあまりない。それでも、読んでいるとなぜかしらムラムラしてくる。ヘンタイへの入り口は誰にでもある。そんなことを気づかせてくれる紺野さんである。
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