M*****さんのレビュー一覧
MAMA
#26までの感想です。「天使になる」=死と隣り合わせに生きる少年たちの孤独の物語。それぞれ違った家庭環境で、抱えている孤独も様々。「天使」が重すぎて、みんな孤独をうまく共有できないのかなと思いました。そういう孤独をひもといていく物語で、謎解きのような展開でおもしろいですが、読後は絶望ともやもやと。主人公はクワイヤに来る前小児買春をやらされていて、それをまわりが貧乏あるあるみたいに受け入れてて、その後、「天使」の様子にショックを受けてまた売春を始めるのも、自傷のひとつとしてまわりが受け入れるところが気になりました(セックスワークにスティグマを与えないという点はいいのかもしれませんが)。その時点で11歳?クワイヤでカウンセリングしないとだめなレベルでは?全国から歌のうまい子を集めて世界ツアーまでやるような合唱団のわりに放任すぎと思いました。読者として、少年たちの孤独の物語を「消費」しているようで、もやもやしました。(絵も美しいし、おもしろいのですが)
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「子供を殺してください」という親たち
とにかく人と真っ向から向き合う作品で、原作者=主人公の押川氏にはリスペクトしかない。いろいろなケースがあって、まとめて感想を書くことはできないけど、この作品で描かれる、子どもの死を望む親はだいたい子どもから逃げているように見える。自分の理想像を押し付け、時には虐待し、子の精神がもう病んでいるのを見ないふりをして、最後の最後で主人公のとこに来る。そういう医療にちゃんと繋がれなかった人を、受け入れ先を探して、本人の意思で病院に連れて行く。ものすごく深いところで人間を信用していないとできないことだと思う。その様子がていねいに、でもある意味ドライに語られていて、説得力のある作品。ひとつだけ、2巻?のあとがきで「多様性」について語られているのだけ、もやっとした。
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踊る島の昼と夜
インドネシアの伝統の儀式や魔術?の雰囲気や気温まで感じるような絵が魅力的なんですが、毎回ナンパや性犯罪(未遂)ばっかり。インドネシアの人が妖術を使って女あるいは男をモノにしようとするのを日本人のカフェオーナーがインドネシアのおばあちゃんと助けてくれるのですが、うっすらインドネシア人を下に見てるような感じで、ほがらかな雰囲気で終わってももらもやします。たぶんそういう犯罪は実際あるのだろうけど、それをおもしろおかしくネタにしているようで、インドネシアに対しても女性に対してもリスペクトがないように感じました。後半はベトナム舞台の恋愛物2本。かわいいです。
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でっちあげ
1話がキツすぎて、読むのやめようと思ったのですが、他のレビューを見て続きも読みました。序章が両親の言い分、それ以降が先生視点の話になって、少しずつ「真相」があきらかになります。太陽の照ってるシーンにレンズフレアがいつも描かれていて、誰のカメラ?ってひっかかりました。あと、最初のほうでお母さんがスーパーの袋を落とすシーンで、いきなりポテトチップスとシチューだけ袋から出て落ちてたのがびっくりしました。写真素材?が絵になじんでなかったり、顔の影は細かいタッチなのに唇は3Dエフェクトとか、校長室の本の背表紙とか、洋服などの布のひだとか、画面の情報量が多くて、わたしにはすこし読みにくかったです。でもそれぐらいいろいろ見てしまう、迫力のある絵です。
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